服飾専門学校で非常勤講師をしている大倉です。
今回は、洋服を作るうえで欠かせない用尺についてを解説します。正確に用尺を出すことで、生地を無駄にせずに洋服を仕上げることができます。そこで失敗しないためのポイントや用尺の目安、計算方法について詳しく解説します。
用尺(要尺)とは何か?
用尺(ようじゃく)とは、洋服を作るために必要な生地の量です。どれぐらい生地が必要になるのか計算する事を「用尺を出す」「マーキングをする」などと言います。結論から言うと用尺は、アイテムごとに必要な生地の量が異なるため、実際のパターンを並べてみるのが一番正確です。それは生地の幅、デザイン、サイズなどを考慮することが重要だからです。
用尺の種類
ちなみに日本国内で一般的な単位は、1m(メートル)を基準にした長さの単位です。生地の値段なども「1m〇〇円」のようにメートル単価が設定されています。もちろん、cm(センチ)でいう場合もあります。
用尺の目安と計算方法
用尺の目安は、以下の通りです。
- シャツ:1.5~2m
- スカート:1.5~2.5m
- パンツ:1.5~2.5m
- ワンピース:2~3m
ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、デザインやサイズによって必要な生地の量は異なります。また、生地の幅によっても必要な用尺が変わるため、あくまで目安としてとらえてください。
用尺の計算には、以下のような要素が必要です。
- アイテムの種類:シャツ、スカート、パンツ、ワンピースなど
- デザイン:ストレート、タイト、ワイド、フレア、Aラインなど
- パターンの大きさ:着丈、バスト、裾幅など
- サイズ:Sサイズ、M、Lなど
- 生地の幅:一般的には90cm~150cm程度
用尺の計算には「身頃」と「袖」など、パーツごとに必要な生地量を出す考え方もあります。
例えば、身頃の丈が60cm、バストが92cmだったとします。生地幅100cmなら前身頃も後ろ身頃も横に並ぶので、必要な量は60cmになります。並ばない場合は、120cm必要になる。という風に、シンプルな計算ができます。頭の中でも計算できそうですね。
用尺を計算する際の注意点や失敗例について
もし用尺を誤った場合、以下のような失敗例が生じることがあります。
- 生地が足りなくなり、洋服が完成しない。
- 生地が余ってしまい、無駄に生地代がかかる
- 柄合わせがうまくいかず、デザインが乱れる
以上のような失敗例を避けるために、できる限り正確な用尺を出しましょう。
また用尺を計算する際には、以下のような注意点があります。
- 生地の幅よって必要な用尺が変わる
- 柄物の生地では柄合わせが必要となり、通常より生地が必要になる
- パターンごとの間隔を最適化することで、生産効率を上げることができます。
まとめ
用尺は、洋服を作る際に必要な重要な知識です。生地の種類や幅、パターンの種類やデザイン、サイズなどを考慮して、正確に出すことが大切です。また、最適化することで生産効率を上げることができます。
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