気に入った洋服を買って帰ってきたら、何かおかしい。これって縫製不良なんじゃないの?
できればこんな経験したくないですが、実際に縫製不良に出くわすこともあります。「安かったから仕方ないか…」なんてあきらめるのはちょっと早い。その前に知っておきたい事前知識を専門学校講師の大倉が解説します。
縫製不良の種類
まず、縫製不良の種類にはどんなものがあるでしょうか?
- 縫いほつれ
- タック
- 左右非対称
- ピリつき・糸調子不良
- ボタンが取れている
- 寸法不良
ザっとこの位は縫製不良の種類があります。一つずつ見ていきましょう。
縫いほつれ
縫いほつれが一番分かりやすく、縫い目の部分に穴が開いたような状態です。初期不良として認められやすい縫製不良でしょう。ほつれた縫い目からミシン糸が出ている事が多く、その部分が縫製不良個所となります。
小さな穴の場合は、左右に軽く引っ張ると穴が空いている事を確認できるはずです。この時、思いっきり引っ張るのはやめましょう。引っ張った時に穴が大きくなると、故意に破いように見え返品しにくくなるからです。ほつれの確認程度の力加減に留めておきましょう。
このミシンで縫われていない状態を専門用語で「パンク」などと呼びます。原因は、
- ミシン糸の切れ
- 縫い忘れ
- 返しミシンの不足
などとなります。
縫いこみ
余計な部分まで縫いこんである状態も、縫製不良の一つです。縫製している時に、本来縫うべきでない部分の生地まで巻きこんでしまいそのまま縫ったのが原因です。見た目に分かりやすいので、発見しやすいのではないでしょうか?縫製不良と認められやすいミスです。
厳密には縫こみとは違いますが、いせが多い袖などで いせが上手く消えずにタックのようにように見える状態も縫製不良の一種です。
ボタンがとれている
ボタンが取れている場合も当然縫製不良の一部です。また、ほんの数回しか着ていないのにボタンが取れボタンが取れている場合も当然縫製不良です。また、ほんの数回しか着ていないのにボタンが取れた場合も私は 縫製不良だと考えます。
なぜかというと、ほんの数回の着用でボタンが取れるのは 縫い糸の玉止めが上手くいっていない事が原因 だからです。この玉止めが上手くできていない時、糸がどんどんほつれていくためほんの数回で取れます。つまりは、初期不良ですよね。この辺で、泣き寝入りしないようにしたいです。
ピリつき・糸調子不良
ピリ付きというと、なじみのない言葉だと思いますが、サテンや裏地などの光沢のある生地に起きやすい現象で、ギャザーがよったように見える状態です。ミシンの糸調子の不良が原因となるため、縫製不良の一種です。ただし、ブランドや洋服の価格帯によっては、不良とみなされない場合もあるかもしれません。
百貨店系のハイブランドでは、縫製不良として返品対象となるブランドもありました。
左右非対称・寸法不良
左右非対称も縫製不良の一部です。原因は様々ですが、型紙の段階では左右は対称になっています。
その後の工程が原因で、裁断で裁ちずれてしまったのか、縫う人の癖で縫い伸ばしてしまったのか。様々な要因で起こるため、後から原因を特定するのは困難です。これもブランドや洋服の価格帯によっては、不良とみなされない場合もあるかもしれません。
以上、縫製不良と分かりやすいものから解説してみました。
で、これらは返品・交換できるのか?
で、これが実際に返品 ・交換できるのかどうかは、正直な所お店やブランドによって変わります。商品価格が高く、粗悪なものを提供してはいけないという高いポリシーを持っているハイブランドなら、返品にも応じてくれる可能性は高まります。
認した状態で販売しているケースもあります。だからと言って、「安いブランドは悪い!」と言いたいわけではありません。低価格なブランドにハイブランド並みの品質を求めても、それは無理です。価格と品質は相関関係にあるので、購入時に考慮すべき要素となります。
返品 ・交換の条件は、ネットショップなどに記載されている場合が多いです。その為、まずは公式HPやオンラインショップで返品の項目をチェックしてみましょう。その返品の基準にあっていれば、交渉する価値ありです。
また、レビューなどで悪評を書かれる事をショップは嫌う傾向にあります。
実際手元にある商品の状態を、丁寧に説明し「返品 ・交換 に応じてくれればレビューなどには書きません。」と、約束すると成功率もアップするはずです。この方法で、「返品ができない商品です。」と書かれた商品で交渉に成功した事例を知っています。試す価値はあるはずです。
ということで、縫製不良と返品 ・交換について解説しました。参考になれば幸いです。
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